薄茶を入れる棗です。漆のものが多く、
棗の形は千利休が好んだ利休好十二器を基本にしており、
「吹雪」ではなく「雪吹」で「ふぶき」と読みます。
鎚目を打つことで鍛金でしか出せない肌を作り、
金属というとギラギラしたイメージがあるかも知れませんが、南鐐(純銀)で石目のものなどは侘び道具とおき合わせても、
また、立礼や茶箱に合わせてもモダンな雰囲気を添えてくれます。
個人的には木地のものや白磁の道具と合わせるのが好きですが、
蓋と身の合口部分には特に気を遣って作っています。
上下がぴったり同じ径になるのはもちろん、
蓋を開けた中を軽い鏡面にすると、お抹茶の緑が綺麗に映えます。
外と内にコントラストを付けられるのも金属ならではで面白いと思
また、既存の棗から金属で写しを作ることもできます。
これは雪吹形の棗ですが、金森宗和の好みで「槌棗」という名前がついており、
金属の茶器は替茶器としても、茶席に話題を添えてくれるでしょう。