金工制作と日々のこと

丸板から金槌で叩いて作った真鍮製の建水です。

建水は茶道具のひとつで、茶碗を温めたりすすいだりした湯を捨てるのに使います。

茶の湯では砂張や唐銅など金物の建水がよく使われますが、建水に湯をこぼした時の金物特有の響きは、点前に清々しさを与えてくれます。

この建水、実は師匠に弟子入りして初めて作った作品で、思い入れ深いものです。

何か模様を入れたいと思いつつ数年そのままになっていたのですが、

今回、全面に松唐草の片切彫を入れてみました。

茶席では渋いものが使われることの多い建水ですが、おめでたい席や広間での薄茶などに如何でしょうか。

完成品は煮込み着色仕上げです。撮影後、写真をUP致します。

本日、WEBサイトをオープンしました。

ブログのデザインもサイトに統一して新しくなりました。

まだ載せている作品数は少ないですが、特にworksのページはこれから追加や修正をしていきますので時々のぞいて頂けると幸いです。

ブログでは、作品のことだけではなく、金工の技法や道具、金属の性質やお手入れの方法についても知って頂けるような記事も書いていきたいと思っています。

リンクはどのページでもご自由にして頂いて構いませんが、画像および文章の著作権は藤井由香利に属しますので、転載の際はご一報ください。

今後とも宜しくお願い致します。

藤井由香利　拝

装身具のオーダーを頂きました。

いかりの形に一升瓶を組み合わせたモチーフのラペルピンです。

三鷹にある、こだわりの日本酒を販売する酒屋さん「碇屋」

その若旦那へ奥様からのプレゼントとしてご注文頂きました。

横幅16ミリの小ささながら、一升瓶には三鷹の「鷹」の横顔と「♡」のマークのラベル付です。ハートは愛情を込めてお酒を販売しているしるしです。
ラベル部分は質感を変えて光沢を抑えめに仕上げました。

お施主様のご希望のイメージから、世界に１つだけのデザインが出来上がりました。

今回もいつもと同様、ワックスではなく地金から制作しています。

手彫りで手の跡も残し、既製品にはない温かみを意識して作りました。

普段使いもできる小さめのサイズですが、襟元での存在感は抜群です。
茶道具以外にも、このような装身具の制作も承ります。

今年は小さい物にも色々チャレンジしようと思っています。